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理学部長からのメッセージ

知を得る喜び

 そもそも理学部の「理学」とは何でしょう。明治時代に諸外国から様々な学問が流入するようになって、philosophy(哲学)やphysics(物理学)の訳語として使われたこともありましたが、今日では自然界における不思議を解き明かしていく学問を指しています。
 この「理学」を動機付けているのは、ユーリカ(eureka)という人間本来の知を得る喜びにあります。かつて、黄金の王冠に混ぜ物がないかを調べるよう頼まれたアルキメデスは、入浴中に比重を測ればよいことに気づき、興奮のあまり「分かったぞ!」(「ユーリカ!」)と叫びながら裸で通りに飛び出したと言われています。アルキメデスでなくとも、たった一つの補助線で、難しいと思っていた初等幾何の問題に光がさすように答が見えてきたときの感動を皆さんも覚えていることと思います。
 同じ理系でも、工学部では、科学的成果を人間社会のためにどのように役立てるかを研究しているのに対し、理学部では、自然の様々な事象がどうなっているのかを追求しています。理学部が求める学生像は、「真理」の探求者となることを希望し、「知」を得ることに喜びを感じる人たちなのです。
 岡山大学理学部は、1949 年に岡山大学の創設と同時に設置されました。その起源をたどれば、旧制第六高等学校の理科を母体としており、100 年をこえる歴史をもつ伝統ある高等教育機関です。創設には高名な物理学者であった仁科芳雄博士が大きな貢献をされ、その顕彰の為に理学部前には仁科博士の銅像があります。また、仁科博士を記念した「仁科賞」が、毎年優秀な大学院生におくられています。
 理学部にある5学科―数学科・物理学科・化学科・生物学科・地球科学科は、自然科学を代表する重要な5分野の教育・研究を目的に設けられています。ともに4年間の一貫したカリキュラムにより、基礎から最新の内容に至るまで、「少人数教育」により体系的に学ぶことができるようになっています。最終年度には研究室に所属し、課題研究(卒業研究)を行い、四年間の学部での学びの総括を行います。
 また、理学部では2011年より「フロンティアサイエンティスト特別コース」が開設されています。意欲がある学生を低学年のうちから支援して、研究者としての必要な能力や技術を伸ばす独自の教育を行っています。本コース生の募集は、入学後におこなわれ、じっくりと将来の進路を考えていくことができます。
 理学部卒業生の半数以上は、さらに高度な知識を修得するために、岡山大学大学院自然科学研究科や他の研究科または他大学の大学院に進学しています。
 岡山大学理学部の全ての教員は、理学部生のために授業をする教育者であると同時に、自然界の基本原理の解明に一生を捧げている研究者たちです。現在、光合成のメカニズムの解明や超伝導新素材の開発など、教員の数に等しい注目すべき数々の研究が、ここ岡山大学理学部で進行中です。それらの研究成果は広く世界に向けて公表され、いずれも高い評価を得ています。
 岡山大学理学部において、次世代を担う皆さんが自然科学の基礎を学び、私たち教員と共に自然界のさまざまな不思議の謎解きに挑戦し、共に「ユーリカ」と叫ぶ日が来ることを心から期待しています。

理学部長

岡山大学理学部長
吉野 雄二