拠点長あいさつ

エネルギー環境新素材拠点 拠点長 久保園芳博

岡山大学エネルギー環境新素材拠点は、温室化ガス削減‐低炭素社会の実現に向けて、材料科学の観点から寄与することを目指して、2010年7月に発足しました。研究の目標は、従来型の材料とは異なる新しい物質を使って、21世紀の低炭素社会を支える「高効率高性能なエネルギー生産、エネルギー貯蔵およびエネルギー輸送材料ならびにデバイス」を作り上げることで、具体的には、以下のテーマを研究課題として掲げています。

  1. 無機系太陽電池に代わる高性能・高効率な有機太陽電池の開発
  2. 新型電子誘電材料を使った高性能太陽電池の開発
  3. 低エネルギー消費生産が可能な高性能・高効率有機電界効果トランジスタの開発
  4. 水素やメタン貯蔵が可能な新しいナノ物質系の開発
  5. 有機物質系における新型超伝導体開発
  6. 高温超伝導を実現するための物質設計指針の確立と高温超伝導材料の開発
  7. 生体系物質を基礎とする光―エネルギー変換システムの構築

これらの研究は、「物質合成―物質評価―デバイス作製」をすべて本拠点内のグループ間の共同研究と本拠点が構築している国際的な研究ネットワークで進めていくことを目指しております。本拠点のコアとなる主任研究員は、物理、化学、表面科学、生物科学を専門とする者から構成されています。本拠点を構成するメンバーが、異分野融合型の研究スタイルによって、個別研究と共同研究をうまく組み合わせて、拠点の目標とする研究課題を達成できるように研究を展開して決意でございます。また、本拠点としましては、世界的な課題である低炭素社会の実現に向けて材料科学分野に大きな貢献をなすことができるように、拠点メンバーの研究活動を支えるとともに、積極的に研究成果を発信してまいりたいと考えておりますので、今後とも本拠点の研究活動にみなさまのご支援を賜りますようお願い申し上げます。