岡山大学 理学部

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講演会のお知らせ (6/20: 是枝 聡肇 先生,立命館大学理工学部物理学科)

2014年06月04日

演題:「光で創るコヒーレントな熱の波動」「単結晶のフラクタル」
:強誘電体関連物質の特異な物性とレーザー分光
講師:是枝 聡肇 先生(立命館大学 理工学部物理学科)
日時:6月20日 14:30
場所:岡山大学理学部1階小会議室
概要:
 我々は近年,強誘電体関連物質における特異な物性を,超高速分光や高分解能光散乱分光の立場から報告している.本講演ではそのうち特に興味深い以下の2件について紹介する:
「熱は拡散するもの」という常識に反して,量子常誘電体と呼ばれる結晶においては「熱の波動」,すなわち「熱の固有状態」が存在することがわかってきた.我々は近年,光学的手法による「コヒーレントな熱の波動」の励振を試みており,実際に高温超伝導の母材料としてもよく知られた物質において,波動的な温度のプロファイルを創成することに成功した.この「熱の波動」をより効率的に励振し巧みに制御できれば,この熱の波動を用いて物質内の様々な素励起や相転移への劇的な変調を起こせる可能性がある.
 また,別のトピックとして,強誘電体よりも巨大な誘電応答を示すことで知られる「リラクサー」強誘電体と呼ばれる物質群の特異性に触れる.リラクサーにおいては規則正しい単結晶の原子配列の中に不規則構造に特徴的な「フラクタル」の存在が見出される.なぜ単結晶の中にフラクタルが存在するのか,フラクタルの存在やそのダイナミクスは巨大な誘電応答と関係があるのか,などについて議論したい.

連絡先:量子宇宙研究センター 植竹 (内線7909)

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