岡山大学 理学部

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講演会のお知らせ (11/27: 増田孝彦先生 京都大学大学院理学研究科 )

2013年11月19日

演題:「KOTO実験(J-PARC K_L→π^0 νν ̅崩壊探索実験)とその初期性能評価」
講師: 増田孝彦先生(京都大学大学院理学研究科)
日時:11月27日 14:00
場所:コラボレーション棟3階 303室
概要:
 KOTO (K0 at TOkai) 実験は、茨城県東海村のJ-PARCで進められている、長寿命中性K中間子の稀崩壊 (K_L→π^0 νν ̅) 探索実験である。K_L→π^0 νν ̅は始状態がCP odd, 終状態がCP evenであり直接CP対称性を破る崩壊である。標準理論による計算ではこの崩壊分岐比は2.4×10-11と非常に小さく、その理論的誤差も2.5%と小さい事が特徴である。これによって、CP対称性を破る新しい物理の効果が相対的に大きく現れることが期待されている。標準理論を超えるモデルの中にはより大きな分岐比を予想するものもあり、崩壊分岐比を精度よく測定する事ができれば、標準理論に現れない粒子の存在の大きな証拠となる。KOTO実験は3年間の物理ランで現在の測定上限値(2.6×10-8)を3桁更新し、世界で始めてK_L→π^0 νν ̅崩壊を観測する事を目的としている。
KOTO実験は2010年から検出器建設を開始し、2013年1月に Engineering runを行った。Engineering runではデータ取得システムの調整やエネルギー校正手法の確立などと共に、KL beamの運動量分布や崩壊点分布などを測定する事で、検出器の初期パフォーマンスを確認した。本講演ではKOTO実験の実験手法やこれまでの準備状況、そしてEngineering runで得られた検出器・KL beamの評価状況について述べる。

問い合わせ先:極限量子研究コア 笹尾(内線7820)

参照リンク

http://www.science.okayama-u.ac.jp/up_load_files/news/20131127.docx

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