理学部紹介

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数学科

壮麗な現代数学の世界の探検

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 数学科では、数や空間をはじめとする現代数学の諸概念と、それらの調和があやなす美しい理論の体系を学びます。
基礎から無理なく学べる独自のカリキュラムを設け、コンピュータを用いた情報関連科目の教育にも力を入れています。
1学年20 余名の仲間とともに4年間学ぶ中で生まれる親密な雰囲気と、15 名の教員によるきめ細かな指導も本学科で学ぶ大きなメリットです。数学の学習を通して得られる柔軟な発想力や論理的思考力は、情報化され激しく変化する現代社会を生きて行く上でも、心強い味方となるでしょう。

1年次
   一般教養科目とともに、大学で数学を学んでいく上で基礎となる事柄を習得します。講義に加えて演習の時間が設けられており、具体的な問題を通して理解を深めるとともに、論理的に考え・表現する力を鍛えます。
2年次
   本格的な数学の学習への基礎を幅広く固めます。代数・解析・幾何の各分野に加えて、コンピュータ・ネットワークの基礎に関する科目があります。演習の時間も多くなり、教員との交流も増えるでしょう。
3年次
   より高度で専門的な科目を学びます。少人数のセミナー形式で一冊のテキストを輪講する「数理科学演習」などを通して、徐々に専門分野を絞っていきます。情報処理・プログラミングに関する実践的なスキルもこの学年で学びます。
4年次
   担当教員の指導のもと、自分の学びたい分野に関して深く掘り下げる「課題研究」が中心になります。これは4年間の総まとめであると同時に、大学院に進学したり社会に出て活躍していく上での足場となるでしょう。
卒業論文

「合同数と楕円曲線」「デデキント和と相互法則」「ラマヌジャンの精神による式変形」「有限群の表現に関するマシュケの定理」「ヒルベルト空間における射影定理」「2階放物型微分方程式の最大値原理について」「熱方程式の初期値問題」「非圧縮流体のナビエ・ストークス方程式」「測度空間の完備化」「擬等長写像と双曲性」「リーマン多様体上の接続と測地線」「正多面体に関するオイラーの定理」「球面の平行化可能性について」「高次元ホモトピー群について」「幾何学的群論」「ダイヤモンドの原子配列の数学的実現」「カントール集合について」「ゲーデルの不完全性定理」「第一*原理」「ソートの各種アルゴリズム」


数学科の研究分野

代数・計算数理科学

代数学では「演算」に注目して数学を研究します。計算数学は計算機を用いて具体的な計算や証明への応用を目指します。
【代数学とは?】
 

 数や行列のように演算を持った集合を一般に「代数系」と呼びます。代数学とは代数系の学問であるとも言えます。
数に関する様々な問題を扱う「整数論」や、図形を「環」と呼ばれる代数系と結びつけて調べる「代数幾何学」等は代数学の代表的なテーマです。代数系は自然科学の諸分野においても、周期性や対称性を記述する概念として広く活躍しています。代数系のこうした側面に注目した研究は「表現論」と呼ばれます。

【1+1=0?】

 0と1だけからなる代数系もあります。上の表が何を意味するか分かりますか?この単純で奇妙な代数系は、当時19歳の天才数学者ガロアによって代数方程式に関する深い定理と結びつけられました。19世紀に誕生したこの「ガロア理論」は、今日でも最も美しい数学理論の一つとされています。また、整数論や代数幾何学の最先端の結果を動員して近年やっと証明された「フェルマーの最終定理」は、350年もの間未解決の予想でした。
 代数学には時代を越えて色褪せない数学の美しさと奥深さが詰まっています。

空間数理科学

 

 幾何学・大域解析学は、我々の住む空間の概念を拡張した「曲がった空間」を研究対象とします。位相数学は、自由に伸び縮みできる柔らかい世界の幾何学です。空間数理科学はこのように幾何的な対象を、代数学、解析学などの道具を駆使して研究する分野です。例えば地球はほぼ丸い球であり、球面の2点を結ぶ最短線は大円(球の中心を通る平面で球面を切ったときにできる円)ですから、日本からヨーロッパへ飛ぶのに北極回りになるわけですが、正確に言うと地球は赤道部分が膨らんだ「楕円面」という形をしており、そこでの最短線は、もはや平面で切った曲線ではありません。それではどういう曲線が最短線なのでしょうか?
 また例えば、針金で輪を作って石鹸水に浸けると膜ができます。この輪を少し捻ってやると、石鹸膜はどんな形になるでしょう。そしてさらにひどく捻っても石鹸膜はできるのか?この分野ではこんな問題の答えを追求します。上の絵は、この石鹸膜と「同じ種類」の曲面で、極小曲面と呼ばれています(3D-XplorMath による)。

解析・汎用数理科学

 

 世の中の刻一刻と変化する様々な現象を理解する際に、強力な数学的道具となってきたのが微分方程式と呼ばれる未知関数とその導関数の関係式として書かれている方程式です。
 例えば波、光、電磁気、流体の運動、熱の拡散現象、シマウマの縞模様や貝殻の模様などを記述するには、時間変数と空間変数を独立変数とする偏微分方程式というものが必要となり、この解析のために微分積分を発展させたルベーグ積分論、フーリエ解析、関数解析、超関数論などの解析学の新しい分野が生み出されて来ました。またブラウン運動などのランダムなノイズが入った微分方程式は、伊藤清博士により確率微分方程式の理論として定式化されました。この理論は偏微分方程式の解析にも新たな視点を与え、現在では数学の他分野だけでなく金融工学を始めとした様々な応用分野でも盛んに用いられています。
 このように、解析・汎用数理科学は微分方程式で記述された数理現象を解析学、確率論などの道具を駆使して研究する分野です。

[卒業後の進路]
 多くの学生が大学院に進学し、より専門的な数学の研究へと進みます。次いで多いのは教員を志望する学生です。本数学科では中学校の数学教諭と、高等学校の数学および情報の教諭免許を取得することができます。数理的素養を生かすべく、メーカーやソフトウェア、情報関連の企業に就職する学生も多くいますし、予備校や出版の仕事で数学の知識の活用を考える学生もいます。また、市区役所や銀行等も比較的多い就職先として挙げられます。毎年、担当の教員が学生諸君の就職に関する相談に乗り、企業とも連携して活動のサポートにあたっています。

就職先の一例

中国銀行• 両備システムズ• NTT 東日本• NEC システムテクノロジー• みずほ情報総研• 高等学校教員(岡山県など)

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