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講演会のお知らせ (2/20:清水 肇  氏 (東北大学・電子光理学研究センター 名誉教授,大阪大学・核物理研究センター 特任教授))

2019年02月06日

講演題目:原子核内部におけるカイラル対称性の回復とUA(1)アノマリ
講師:清水 肇 氏 (東北大学・電子光理学研究センター 名誉教授,大阪大学・核物理研究センター 特任教授))
日時:2019年2月20日(水)16:00~
場所:総合研究棟 6階 16区画
要旨:
私たちは、電磁カロリメータBGOegg を建設し、SPring-8 レーザー電子光ビーム(LEPS2)を用いて、クォーク核物理の研究を進めている。原子核内部は、~1014g/cm3という超高密度の世界であり、宇宙開闢後間もない頃の宇宙の密度に匹敵する。そこでは、自発的に破れたQCD カイラル対称性が部分的に回復することによって、カイラル相転移前駆現象が現れる可能性がある。私たちの計画では、原子核内部に生成されたメソンの2γ崩壊を捉え、原子核中を伝播するメソンのスペクトル函数を測定し、以て前駆現象を探索する。現在SPring-8 で進行中の実験では、eta’(958)メソンがその研究対象となっている。クォークフレーバーSU(3)対称性のもとで、SU(3)L x SU(3)Rカイラル対称性が回復してもUA(1)対称性は破れたままであるが、質量スペクトルにカイラル対称性回復の影響が現れると考えられる。このような実験では、大立体角の電磁カロリメータが必要であり、その建設には多くの人の協力が不可欠である。本セミナーでは、多くの労力が費やされたBGOegg 建設の顛末をお伝えしたい。

連絡先:異分野基礎科学研究所・量子宇宙研究コア 笹尾 登(内線7768)

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