岡山大学 理学部

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講演会のお知らせ (2/23:今村 慧 氏(明治大学/理研仁科センター・研究推進員))

2017年02月16日

講演題目:超流動ヘリウム環境を利用した原子のレーザー分光法とその核構造研究への応用
講師:今村 慧 氏(明治大学/理研仁科センター・研究推進員)
日時:2017年2月23日(木)14:00
場所:自然科学系総合研究棟 16区画
要旨:
 種の研究からその構造が明らかにされてきた。しかし,近年の加速器技術の発展により人工的に生成される不安定核種の研究が進み,既存の原子核物理では説明のできない現象が確認されるようになった。現在までに約3000種を超える不安定核種が発見されているが,安定同位体に比べ陽子・中性子数が大きく異なる遠不安定核種の核構造研究は原子核の統一的理解に向けた大きな課題となっている。
 この様な原子核研究においてレーザー技術を駆使した実験手法がこれまで数多く提案されている。レーザー光の持つ高い単色性,強度,指向性を利用し,原子のエネルギー準位に現れる原子核の影響を詳細に測定することで核構造を知ることができる。レーザーを基盤とした技術を遠不安定核に適用するためには,ごくわずかしか生成されない原子核を原子化し観測することが必要となる。これを実現すべく,超流動ヘリウム環境を利用した原子分光法の適用が提案されている。この手法は,高密度媒質である超流動ヘリウムを用いることで高エネルギービームを100%近い効率で停止・中性化させ,レーザー分光法を適用することで高感度測定を可能とするものである。本講演では超流動ヘリウム環境中において原子が示す特徴と,これを利用した核構造研究の手法開発で得られた結果について紹介する。

連絡先:異分野基礎科学研究所 量子宇宙研究コア 吉見 彰洋(内線8499)

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